預けるだけ。自分だけの「古酒」がつくれる酒蔵

世界にひとつ、 あなただけの泡盛を
世界にひとつ、 あなただけの泡盛を

沖縄には、日本国内でも沖縄県内でしかつくられていないお酒「泡盛」があります。
九州各地でつくられている焼酎のルーツとも言われる泡盛は、国内最古の蒸留酒と言われています。

豊かな香りや旨味、産地や銘柄ごとに異なる個性、沖縄で長い間愛されてきた歴史 等々。
泡盛にはたくさんの魅力がありますが、今回注目したいのは「熟成」です。

泡盛には、ワインやウイスキー等の他の熟成するお酒には見られない特長があります。
世界でもほとんど類を見ない、泡盛の唯一無二の魅力。
果たしてそれはどのようなものでしょうか?
そして、沖縄本島の中部、金武町にある酒蔵では、そんな熟成に最適な環境が整った、自分だけの「古酒」を作れる酒蔵があります。
熟成し、「古酒」となった泡盛には芳醇な香りとまろやかさ、そして熟成期間や環境によって異なる、その泡盛だけの個性が加わります。

琉球泡盛の美味しさの秘密、少しだけお教えします。

 

1.そもそも泡盛ってどんなお酒?

沖縄で泡盛のような蒸留酒が造られるようになったのは、15世紀ごろ。
泡盛は、それから500年以上も長きに渡って沖縄で愛され続けているお酒です。

その原料は、お米。いわゆるタイ米です。
泡盛の蒸留技術は、もともとタイ(当時のシャム国)から伝わったものであり、そのときに蒸留器や貯蔵用の甕(かめ)、そしてタイ米がもたらされたといわれています。
そこに、沖縄でのお酒造りに適した黒麹菌が組み合わせられて泡盛が生まれました。
お米と水と黒麹。この3つだけで作られた蒸留酒なので、添加物も糖質もプリン体も含まれていません。
適量であれば、とてもヘルシーなお酒ともいえるでしょう。  

 

2.泡盛の種類

泡盛の中には、以下のような呼び方をされるものがあります。
区別できるとちょっと自慢できますよ。
・古酒(こしゅ、くーす)
・原酒、花酒(はなざけ)
・マイルド

【古酒】
熟成させた泡盛のこと。 3年以上熟成させた泡盛だけが、「古酒」を名乗ることができます。
熟成が3年未満のものは「一般酒」です。
泡盛は、甕や瓶に入れて寝かせることで、より芳醇な甘い香りとまろやかな味わいに変わっていきます。
とくにその香りは、バニラや黒糖、フルーツに例えられることも。
熟成によってアルコールの刺激が和らぎ、コクも生まれるので、「一般酒」が苦手な方にもぜひ試してほしいお酒です。

【原酒、花酒】
泡盛のアルコール度数は、2020年3月に酒税法が改正されるまで「45度以下」と定められていました。
なので、実際に販売されている泡盛のアルコール度数も25~43度のものが大半を占めるのですが、中には46度以上の泡盛も販売されています。
それが、度数を調整していない泡盛の原酒や与那国島の「花酒」です。
花酒のアルコール度数はなんと60度以上。
与那国島でのみ製造が許されている特別なお酒です。

【マイルド】
原酒や花酒とは逆に、アルコール度数を低く、25度以下に調整した泡盛のみに付けられる呼称です。
クセの少ない、比較的飲みやすく作られた泡盛なので、初めての泡盛にぴったりです。  

 

3.自ら育つお酒

ワインやウイスキー、ブランデーなど、時間をかけて熟成させた味わいを楽しむお酒は数多くありますが、それらはいずれも樽の中で熟成されます。
これらのお酒は、貯蔵された樽の成分がお酒に少しずつ移っていくことで時間をかけて独特な香りをまとうようになります。
一方、泡盛は、甕や樽の中に貯蔵している間はもちろん、瓶に詰めた後でも熟成していくという特長があります。
つまり泡盛は、泡盛に含まれる成分自体が熟成し、自らの味わいや香りを変化させていくのです。

これは、購入後に自分で泡盛を「育てる」ことができるということでもあります。
適切に管理すれば、瓶に入った泡盛だけでなく、お土産品として販売されている甕に入った泡盛でも、購入後に熟成させることができるといわれています。

また、甕を使った沖縄伝統の「仕次ぎ」と言われる方法を使えば、100年ものの古酒を育てることも可能です。
実際、戦前までは100年を超える古酒が各家庭でつくられていたそうです。(※)

※参照: 国税庁「泡盛の仕次について」
     概要「泡盛仕次の効用」(PDF/915KB)  

 

4.金武鍾乳洞の酒蔵

沖縄本島の中部の町、金武町には、瓶の泡盛を熟成させるための鍾乳洞があります。
熟成に適した湿度と気温(約18℃)が保たれた地下30m、長さ270mの鍾乳洞には1万3000本以上の泡盛の一升瓶が貯蔵されており、多くの方が「ボトルキープ」することで、5年、12年、20年と時間をかけて泡盛を熟成させています。

赤ちゃんが生まれたときに購入し、その子とともに育った20年ものの古酒を成人式の日に一緒に飲む。

そんな楽しみ方ができるのも、泡盛の魅力です。
鍾乳洞の見学も可能なので、沖縄を訪れた際には自分だけの1本を預けて、育ててみてはいかがでしょうか。
忘れられない沖縄の思い出になること間違いなしです。

沖縄県金武町の泡盛を貯蔵できる鍾乳洞2
出典:金武町公式観光情報 | 金武鍾乳洞の酒蔵

 

沖縄県金武町の泡盛を貯蔵できる鍾乳洞
出典:金武町公式観光情報 | 金武鍾乳洞の酒蔵

 

Information
【場所】
金武鍾乳洞の酒蔵
〒904-1201 沖縄県国頭郡金武町字金武245番地
※那覇空港から車で約1時間
※駐車場あり

【営業時間】
9:00〜16:45(酒蔵の開園時間)
※年中無休

【お問い合わせ】
観音茶屋(有限会社インターリンク沖縄)
TEL:098-968-8581
http://www.interlink-okinawa.com/koshugura/

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いかがでしたか?
今では沖縄に限らず全国で愛されるようになった泡盛ですが、 沖縄の水でつくった泡盛は、やっぱり沖縄の料理と一緒に楽しむのがいちばんです。

ぜひ、沖縄でお気に入りの一杯をみつけてください。




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